担当:中司祉岐

この言葉は、古代ギリシアのデルフォイ神殿に刻まれていた格言です。
ソクラテスはこれを謙虚に受け止め、自らの「無知の知」を大切にしました。
つまり「自分は知らない」という自覚こそが、学びと成長の出発点になるということです。
経営者にとってもこれは同じで、慢心せずに常に学び続ける姿勢が企業の進化を支えます。
また、経営学の父であるドラッカーも「プロフェッショナルの条件」の中で
「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」と語っています。
自らの限界や失敗を認め、そこから新しい挑戦を重ねていく姿勢が、まさに「汝自身を知れ」の現代的な実践なのです。
★経営において大切なのは、常に自分を映す「鏡」を持ち続けることです。
失敗した時は、その鏡に冷静に事実と原因を映し出す。
成功した時には、謙虚にその要因と条件を見せてくれる鏡をのぞき込みましょう。
特に成功体験を「なんとなくの運」で終わらせず、要因を明確にして記録することが重要です。
結果が良くても悪くても、「なぜそうなったのか」をデータや出来事で整理します。
感情を交えず、事実ベースで分析することが、次の成長に繋がります。
うまくいったときこそ、その背景を簡単にメモしておきましょう。
誰が、どのような準備をして、どのような工夫をしたのかを記録しておくと、
次に活かせる「自社の成功マニュアル」になります。
自分の「鏡」だけでなく、信頼できる社員やパートナーに振り返りを一緒にしてもらうことで、
思い込みを避け、より客観的な学びが得られます。
成功の背後にある条件を言語化し、会社の財産として積み上げていく。
その習慣こそが、企業を次の成長段階へ導きます。
すべての事象を主観的にそして、客観的に振り返ること。
その繰り返しが、明日のあなたの成功へと導くのです。