
担当:中司祉岐
この言葉は、一見すると少し冷たく感じるかもしれません。
しかし、その本質は極めて実践的で、現代のマネジメントにおいて重要な示唆を含んでいます。
多くの職場では、「だいたい分かりました」「いい感じだと思います」「おそらく大丈夫です」
などといった曖昧な表現が日常的に使われています。
しかし、このような言葉をそのまま受け入れてしまうと、認識のズレが生まれ、結果としてミスや機会損失に繋がります。
だからこそ必要なのが、“察しの良さ”を手放し、あえて確認し続ける姿勢です。
優れた指導者とは、何も言わなくても分かってくれる人ではありません。
相手の思考を言語化させ、明確にする人なのです。

物事を「測る」ためには、曖昧さを許さない姿勢が不可欠です。
もしあなたが経営者として部下を持っているなら、
あるいは親として子どもに向き合うなら、
“分かったつもり”を見逃さないことが重要です。
「1を聞いて10を察する」そんな“物わかりのいい指導者”を、あえてやめてみましょう。
その代わりに、とことん「?」を突きつける。
「それは具体的にどういう意味か?」
「なぜそう考えたのか?」
「他の可能性はないのか?」
こうした問いを重ねることで、相手の思考は整理され、クリアになっていきます。
今日からすぐに実践できるのは、「問いの質」を変えることです。
そのポイントは、“何も知らない人になりきること”。
以下のような問いを、ぜひ意識して使ってみてください。
「それって、どういうこと?」
「リアルなお客さんは、どんな言葉でつぶやくの?」
「楽しいって、どんな部分がどう楽しいの?」
などといったように、相手の言葉を、1文節ごとに分解するイメージで聞いていきます。
そして
この3つを徹底的に促すことにより、「なんとなくの理解」は「実行できる理解」へと変わります。

優しい指導者は、時に成長を止めます。
一方で、問い続ける指導者は、思考を鍛えます。
曖昧さを許さないことは、決して相手を追い詰めることではありません。
それは、相手の可能性を引き出すための最高の関わり方なのです。